(講演要旨)
2008年6月、知研岡山「10周年記念講演会」の時に訪ねた森田酒造(株)。この店の軒に吊るされた大きな杉玉を右に眺めながら、情緒溢れる本町をのんびり歩いて行く。
町が途切れ、道を渡るとそこには、東町と呼ばれる界隈が広がっている。明治2年(1869年)創業、呉服屋『はしまや』(楠戸家)は、今も当時の面影を残しながら、私達を温かく迎えてくれる。建物は、明治20年の建築で、倉敷特有の様式に上方風も取り入れた風格ある構えと軒上にある外灯が老舗を強く印象付けている。
この家にお住まいの楠戸恵子さん、「皆様との交流の場を作りたい」との想いから、国の登録文化財になった1997年(平成9年)、屋敷奥の米蔵を改装し『夢空間(サロン)はしまや』を開設した。この空間を活用して、作品展やコンサートなどを開催している。「日々の暮らしを楽しみながら、お役に立てればといつも思っているだけです。」と小さな声で話す楠戸さん。その想いを語っていただきます。 (担当幹事)
講師 楠戸 恵子(くすど けいこ)さん 『夢空間(サロン)はしまや』オーナー
(講演要旨)
近年、環境問題等に関する意識が高まり、市民活動や行政機関においても、多くの情報が提供されています。
その中で地域の豊かな自然環境を保全し、次の世代に伝えていくことは、重要な問題であり課題です。地域の信仰とともに維持されてきた「鎮守の森」は、日本人が受け継いできた豊かな自然環境であり、そこには、ムササビをはじめとする動物たちが生息しています。
講師は、岡山の鎮守の森を中心として、哺乳類の生息調査を実施されてきていますが、今回は、鎮守の森と動物との関係をはじめ、岡山県における哺乳類の生息状況や、人々の暮らしと動物の関わりなどについてのお話しをしていただきました。 (例会担当幹事)
川原 啓路 (かわはら よしみち) 氏
講師プロフィール
岡山の自然を守る会 理事、岡山県野生生物調査検討会(動物部会)委員
1974年(昭和49年)生まれ 岡山市建部町在住
職 業 環境コンサルタント会社勤務(役職 研究員)
・岡山市デジタルミュージアムの常設展示「岡山の自然」の開設担当
・『おかやまクイズ Vol.1』(吉備人出版)共著
(講演要旨)
最近、ゲリラ豪雨と表現される集中豪雨が、日本各地で頻繁に発生し、そのつど、死者、行方不明者などが大きく報道され、人命、財産を失う悲しみに接しています。地球温暖化によるヒートアイランド現象に、主基因することもあるとして、豪雨災害列島となっています。
台風といえば昭和9年の室戸台風は、特に、有名ですが岡山県下でも、死者や大きな損害の爪跡を残した巨大台風でした。地政的に、東アジアに位置する我が国は、台風の被害から、逃れられない宿命にありますが、本台風からはや70数年となり、その恐怖の実体験を語り継ぎ、防災の意識を高め、我が身の守り方を教えてくれる伝達者も少なくなりました。
講師は昨年、大正末期から昭和のはじめに、お生まれになった岡山の室戸台風の実体験者の多くの方々に、聞き取り調査をされ、その内容を、本に纏められていますので、今後、必ず襲来するであろう巨大台風からの、被害を少なくするいろいろの知恵について教えていただきました。 天災は忘れた頃にやってくる。 (例会担当幹事)
講師 技術士 横部 英男 (よこべ ひでお) 氏
講師プロフィール
元国土交通省職員、1935年(昭和10年)生まれ、岡山市在住
職 業 現在コンサルタント会社勤務(役職 技師長)
資 格 一級土木施工管理技士、一級造園施工管理技士、
地すべり防止工事士など多数
(講演要旨)
急速に進む国際化の流れの中で、今、地球規模での相互依存、相互協力の必要性が高まってきています。地方都市「倉敷市:KURASHIKI.C」も、その潮流の中で、国際交流事業や国際協力・貢献活動事業、多文化共生社会の実現に向けた事業を展開しているところです。
9月例会では、その最前線で具体的な取り組みを行っている倉敷市国際平和交流推進室のスタッフを講師に迎え、倉敷市の取り組みの概要を説明していただきました。また、外国と日本との架け橋役として活躍している国際交流員(ニュージーランド・クライストチャーチ市出身)の生の声を、会員の皆さんにお届けしました。クライストチャーチ市(右の地図)は、倉敷市と提携35周年を迎える姉妹都市です。 (担当幹事)
講師 玄馬 正雄(げんば まさお)氏
倉敷市国際平和交流推進室 次長(知研・岡山会員)
講師 ジエームス・ベンソン 氏
倉敷市国際平和交流推進室 国際交流員
(講演要旨)
「貧しい商売はするな。利を考えるな。声高に叫ばなければならない酒は造るな。」
これは講師の祖父尚二氏の信念。これを受け継ぎ納得できる酒造りをした学者肌の父脩一氏。この二人の遺伝子を120%受け継いだ現当主の昭一郎氏。25歳から酒造りに没頭してきた。
しかし、伝統を守るだけではエネルギーが枯渇し、時代に流されてしまうのではないかとの危機感を40歳すぎから感じるようになった。「もの造りの原点は」、その「奥にあるものは何か」を求めて、今も、もの造りの旅を続けている。
昭一郎氏の哲学、「古き伝統は、新しき創造を生む」の証が、くらくら座であり破流知庵、平翠軒(右の写真)である。
世間のしがらみに捉われず、過去、現在、未来を巧みに組み合わせ、時空を超えての人と人、物と物との交流を大切にする心を持つ者が「倉敷もん」と呼ばれている。まさに昭一郎氏を指す言葉である。今回は、その氏の生き方についてお話しいただきました。 (担当幹事)
講師 森田 昭一郎 (もりた しょういちろう) 氏
森田酒造(株) 代表取締役 (倉敷商工会議所副会頭)
(講演要旨)
2008年春、岡山県立美術館は開館20周年を迎えました。
これを記念し、岡山県立美術館では、その設計者である建築家岡田新一(1928年〜)の業績を紹介する展覧会が開催されました(会期4月15日〜5月18日)。
岡山県立美術館(左の写真)の他、岡山市立オリエント美術館(下の写真)なども設計している岡田の代表作といえば、何といっても最高裁判所庁舎です。重厚で威厳ある岡田建築の魅力について、展覧会見学及び岡山県立美術館の建物自体の見学とあわせて紹介していだだきました。
講師 山吹 知子 氏
岡山県立美術館 学芸課 学芸員
(講演要旨)
私たち人間と、いわゆるペットとしての動物は、想像以上に古くから共生していたようです。
例えば犬は、昔はほとんどが番犬として飼われていましたが、今は心身ともに人間をサポートする重要な役割を果たしています。今後は、さらに深い関わりを持つようになるのでは、と思われます。
しかし、往々にして私たちは、動物たちに対して勝手気ままな態度で接しているのではないでしょうか。時には、ペットの気持ちやその生態について考えてみると、もっと親密な関わり会いが出来るかもしれません。
春の一日、「動物愛護」の在り方を体験する良い機会となりました。
ご講演後、講師の国近様に施設内を案内していただきました。 (担当幹事)
講師 国近 寛康 氏
前動物愛護センター愛護課長(現真庭保健所)
(講演要旨)
歴史は絵巻物語。日本や世界で何年に何が起きた・・・「いい国(1192年)つくろう鎌倉幕府」、年代を憶えるのに苦労したのでは? 西暦1700年に完成した岡山の「後楽園」からスタートして、世界の歴史を輪切りにしてみましょう!
同じ年、フランスではルイ14世がヴェルサイユ宮殿を増築中でした(鏡の間は1688年完成、礼拝堂を建設中)。
なぜパリから南西22kmの田舎(馬車で約2時間)に、ヴェルサイユ宮殿を作ったのでしょうか?
歴史を紐解くと、ひとびとの生活が見えてきます。今日の生活が明日の礎となり、未来を形作っています。地球温暖化対策は、私たちの日々の生活のなかにあります。
みなさんの明日、いや、今からの地球温暖化対策の第一歩を願って、お話いただきました。 (担当幹事)
講師 岡 秀憲 (おか ひでのり) 氏 (知研・岡山幹事)
山口県出身、岡山市在住
職 業 建設業に従事(社会資本整備に重点を置いた仕事です)。
これまで地球を彫刻し、地図に沢山の記号を追加しました。
それは高速道路、ダム、地下鉄や上下水道などです。
資 格 環境カウンセラー(環境省)
所 属 NPO法人 岡山環境カウンセラー協会 会員
NPO法人 セルクル(福祉、環境等関連団体)理事
(講演要旨)
遠い昔より、天皇、王朝貴族などから深く愛され続けてきた日本刺繍は、いにしえより脈々と受け継がれている伝統と格式のある工芸です。ひと針、ひと針、刺して繍う繊細で緻密な作業の積み重ねと、絹糸の持つなめらかな光沢により生命感と立体感にあふれる表現は、古代より人々の心を深く捉え、多くの感動と感銘を与えてきました。
日本の長い歴史を通して刺繍が時代とともに歩んできた道について、お話をしていただきました。また、作品を数点展示し、刺繍の実演も行いました。(担当幹事)
講師 木村 千鶴(きむら ちづる)氏
京都出身、刺繍作家、島根県在住
昭和63年 刺繍家を志す。
刺繍職人としてその技術とセンスを認められ、
各著名人の着物や帯などの制作に従事。『家庭
画報特選きものサロン』、『ミセス』などに掲載。
平成11年 東京アート未来展に「シルクキャット」を出品、
特選受賞。
山陰各地を中心に展示会を多数開催。
創作活動を続けながら、刺繍文化の普及に取り組んでいる。
(講演要旨)
熟年中国語講座です。あなた様もピンイン(ローマ字)を使ってメールや手紙を出してみませんか。国際化が年々と進む私たちの岡山。特にアジアの経済と環境への関心が高まり、昨秋のまなびピアで外国の若者の存在を実感されたかと思います。彼らともっとコミュニケーションがしてみたい。しかし、一方では中高年は気恥ずかしさがあり、ヒヤリングも苦手な面もあります。
そこで、数多い中国留学生の漢字、簡体字で手紙を書いてみましょう。中国語ワープロは特に必要ありません。ご利用のパソコンがWindowsXPを装備であれば簡単に設定できます。
あなた様の中国語学習の手がかりやお手伝いとなれば幸いと存じます。(担当幹事)
講師 元岡山商大外語講師 矢杉文武氏
岡山市在住 60歳から中国語を学習。(財)日中技能者交流センター(本部 東京都)より北京および上海へ日本語講師としてそれぞれ派遣駐在。中国の若者から豊富な教育経験を得る。この実績を生かし岡山商大で教鞭を。中国語学習ノウハウを集成した図書を本年3月に出版予定。